昨日のNHK「あさイチ」で洗面所での感染のリスクとその原因が歯磨きにあるようだと紹介されていました。
ここまで来ると魔女狩りのように、こじつけてでも無理矢理に犯人を捜そうとしているとしか思えません。
番組では歯磨きによって合唱と同じぐらいの飛沫が発生すると紹介していましたが、合唱が感染拡大させるという誤解も視聴者に植え付けてしまいます。
前歯の裏を磨く時に最も飛沫が発生し、できるだけ口を閉じて歯磨きする事と歯磨きする時には口の前に手を置くことを提案していましたが、口の前に手を置くと当然、手には飛沫が付きますので、不用意に何かを触ってしまえば接触感染の原因になってしまいます。
私自身は歯の一番奥は歯ブラシが届きにくく立てる必要があるので、どうしても口を開けないといけませんが、一番奥を磨く時以外は全く口を開けませんし、どんどん唾液が出るので逆に口を開けたまま歯磨きなんてできませんが、皆さんは口を開けて歯磨きをしてるんでしょうか?
歯磨きの方法が間違っているケースが多いと思いますが、歯磨きと言いますが実際には歯を磨くのではなく歯周ポケットを洗浄して歯肉をマッサージするイメージで歯ブラシを歯周ポケットに45°ぐらいの角度で当ててブラッシングをします。
力が強すぎても逆に傷付けますので歯ブラシを握るのではなくペンホルダーが良く、私は3本の指でつまむ程度にしか持ちません。
前歯の裏をブラッシングする時は歯ブラシの根元部分を当てますので、口を開けなくてもブラッシングできます。
こういう正しいブラッシングをするだけであまり飛沫を出さないようにすることは可能です。
更に唾液に自浄作用などがあるので毎食後に歯ブラシをする必要も無く、歯磨きをする人が減れば洗面所で感染の可能性があったとしてもリスクは下げられます。
食後に歯磨きをする際は30分以降にするようにお知らせしましたが、投稿を見た知人の歯科医から教えてもらいましたが正しくは食後20分までは口腔内のpHが下がり脱灰を起こしているため歯磨きは逆効果で、30分頃からpHが安定して再石灰化が行われるため食後30分後に歯磨きをするというのが正解のようです。
スウェーデン式歯磨きで虫歯予防になる事も紹介させていただきましたが、フッ素の悪影響に関するご指摘もいただきました。
スウェーデン式歯磨きはNHK「ガッテン!」で知りましたが、番組では海外の学会まで足を運び、フッ素が虫歯予防に効果があるという論文まで提示していて、実際にスウェーデンでは虫歯の人がほとんど居ないという事実があるので紹介させていただきました。
フッ素に関しては子供で歯牙フッ素症を起こす危険があり、スウェーデン式歯磨きも12歳以上が対象ですので、その事を先日の投稿には記載してませんでしたのでお詫びします。
当クリニックで行っているオゾン療法もですが、大気中のオゾン層は有害な紫外線をカットし、強力な殺菌作用から水や空間の除菌などにも使われていますが、高濃度では人体に有害ですので、どんな物でもしっかりと管理して使用法を間違えなければ大きな問題は生じないと思います。
スウェーデン式歯磨きに関しては番組内で日本で普及しない理由を問われた日本の歯科医が口をゆすがないという行為が日本人の感覚には合わないために説明もしていないという事でしたが、色々な情報から各個人が選択する自由がありますが、初めから情報を与えないという事は虫歯にならなくなれば歯科を受診する人が減ってしまうために意図的に情報を与えていないという悪意を感じてしまいました。
フッ素に関しては歯科の中でも賛否が分かれていて、当クリニックとしましては色々な情報を紹介していますが強要するつもりは全くありませんので、最終的には各個人で判断していただきますようお願いします。
唾液を出すためによく噛む事が重要であることもお知らせしましたが、噛む事で視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚という五感の情報が脳に送られて脳が活性化され、認知力の向上、記憶力の強化などの効用があると言われています。
1人で食事をするとどうしても早食いになって噛む回数も減りますが、会食時は相手の話を聴いている時は通常は黙って噛み続けるため噛む回数が増える傾向にあり、会食には免疫活性化、脳の活性化などのメリットも大きいです。
複数で食事をする時も口に食べ物を入れる時以外はマスクをして黙って食事をするように言われていますが、そんな食事が楽しいでしょうか?
気も滅入り笑顔も無くなり免疫を下げるような事ばかりで余計に感染しやすい身体になってしまうかもしれません。
歯磨き剤やガムなどに関してですが、ANAが自宅でできる唾液PCRを開始し、HPに書いてある注意事項に「採取前は、最低1時間は飲食、喫煙、うがい、歯磨きをしないでください。消化酵素により、感度が低下する場合がございます。また、マウスウォッシュ、のどあめ、のどスプレー、ガム、歯磨き粉には、菌剤のPC(塩化セチルピリジニウム)が含まれているものがあり、検査の感度が低下する場合があります。」とあります。
指摘があって改訂されたようですが、「検査の感度が低下する場合があります。」の部分が改訂前は「コロナウイルスを殺してしまう可能性があります。」になっていたようです。
消化酵素により感度が低下するという事は唾液がしっかり出ていればウイルス活性が落ちるという事ですし、のどスプレーは推奨しませんがマウスウォッシュ、のどあめ、ガム、歯磨きでも感染対策になるという事になります。
結局は新型コロナウイルスはその程度の弱いウイルスであるという事になりますし、口内環境を整え、マスクをせずに会食を行って笑顔で過ごして免疫を活性化することが予防に繋がると思われます。
https://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20190508/index.html
https://www.ana.co.jp/ja/jp/topics/coronavirus-travel-information/pcr/