胃の検診といえばバリウムを飲んでからX線撮影を行ってフィルムに写った胃壁の凹凸から胃の状態を見るのが一般で、追加料金を出すか人間ドックなどの自費であれば内視鏡検査を行う事もありますが、いずれにせよ絶食が必要だったり苦痛を伴う事もありますが、これらの方法とは別に2種の血液検査を組み合わせる事で「胃の健康度」を調べることが可能です。

2種類の血液検査の1種類はご存知の方も多いと思いますがヘリコバクター・ピロリ(以下、HP)抗体検査です。

胃がHP菌に感染していないか調べる検査で感染している方すべてが胃の病気になるわけではありませんが感染していれば胃癌などのリスクが上がります。
胃酸の分泌や胃粘膜の免疫能の働きが不十分な幼少期(4~5歳)頃までに感染すると考えられていて子供の頃に感染しなかった場合、大人になってから感染することは稀だと言われています。

もう1種類はペプシノゲン検査で「ペプシノゲン」という物質の血中濃度を測定することで胃粘膜の老化(萎縮)を客観的に調べる検査です。

判定はA,B,C,Dの4タイプに分類します。

Aタイプ:HP(-)、ペプシノゲン(-) 健康的な胃粘膜で胃の病気になる危険性は低いと考えられます。 1年間の胃癌発生度:ほぼ0
Bタイプ:HP(+)、ペプシノゲン(-) 少し弱った胃粘膜で胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに注意が必要です。 1年間の胃癌発生度:1000人に1人
Cタイプ:HP(+)、ペプシノゲン(+) 弱った胃粘膜で胃癌などの病気になりやすいタイプです。 1年間の胃癌発生度:500人に1人
Dタイプ:HP(-)、ペプシノゲン(-) かなり弱った胃粘膜で胃癌などの病気になるリスクがあります。 1年間の胃癌発生度:80人に1人

Aタイプ以外の方は消化管内視鏡検査をお受けになって実際の胃粘膜を状態を確認する事をお勧めします。

明らかな上部消化管症状のある方、上部消化器疾患のある方、プロトンポンプ阻害剤(胃酸を抑える薬)内服中・服用終了後2ヶ月を経過していない方、胃を切除されている方、腎不全の方、HP菌除菌治療を受けられた方は正しい結果が得られない場合がありますし、該当される方は保険医療として内視鏡検査が受けられますので医療機関にご相談下さい。

この検査はあくまでも消化器症状を認めない方の「胃の健康度」チェックですので保険適応は無く自費になりますが予約なしで直ぐに検査が出来て絶食も不要です。

料金:3780円(税込)  結果は7~10日後に自宅に郵送させていただきます。