政府が全国民に毎年の歯科健診を義務付ける『国民皆歯科健診』の導入の検討を始めるようです。

高齢者は、自身の歯を多く残す人ほど健康を維持しやすく、入院回数が少ないことが明らかになっていますが、逆に歯周病などを放置すれば糖尿病などの合併症に繋がる可能性も指摘されて厚生労働省は日本歯科医師会とともに、これまでにも80歳で自らの歯を20本残す『8020運動』などを進めてきました。

歯を多く残すには歯周病などの早期発見と治療が重要になりますが現在、義務化しているのは1歳半と3歳の乳幼児、就学時や小中高生の学校健診、歯に有害なガスを業務で扱う人などに限られています。

自治体によっては健康増進法に基づく歯周病対策の健診なども実施していて豊中市では30歳から74歳の市民、満75歳以上の生活保護受給者、妊婦と出産後1年未満の産婦に対して毎年、無料で歯科健診が受ける事ができますが、実際には受診率が低いのが現状です。

具体的な手法としては健康診断の際に唾液を提出してもらい、歯周病などの可能性がある人を受診につなげる案が浮上しているようで、現在の個別健診では歯科受診する必要があり、受診者は無料でも健診先の歯科には自治体から報酬が支払われるため、全体の支出としても抑えられる可能性が考えられます。

しかし早期発見も必要ですが、そもそも虫歯や歯周病などになりにくくするためにはどうすれば良いかという予防法を周知徹底する必要があります。

以前にも紹介したことがありますが毎食後に歯磨きする必要があると思っている人が多いと思いますが毎食後にする必要はなく、するのであれば食後20分までは口腔内のpHが下がり脱灰を起こしているため歯磨きは逆効果で、30分頃からpHが安定して再石灰化が行われるため食後30分後に歯磨きするのが正解です。

虫歯予防のために歯磨き剤にフッ素が含まれていますが、歯磨きの後に口をゆすいでしまうとフッ素まで洗い流してしまうのでスウェーデンでは歯磨きの後に歯磨き剤だけを吐き出して口をゆすがずにフッ素をしっかりと残すという『スウェーデン式歯磨き』を行う事によって虫歯の人がほとんど居ませんが、子供で歯牙フッ素症を起こす危険があり、『スウェーデン式歯磨き』は12歳以上が対象です。

『スウェーデン式歯磨き』をNHK『ガッテン!』で紹介した際に日本歯科医師会にインタビューしていますが、日本歯科医師会も知っていますが歯磨きの後に歯磨き剤だけを吐き出して口をゆすがないと言うのは日本人の気質に合わないため知らせていないと答えており、虫歯が減ると受診者が減るため知らせないのではないかと疑ってしまいました。

虫歯になる人が減る事で医療費削減に繋がりますが、スウェーデンでは虫歯になる人は少なくても歯のケアのために定期的に歯科を受診する人が多いようなので歯科は収入は得られ、自費で保険が使われないため医療費削減に繋がりますが、そういう発想になりません。

今回の『国民皆歯科検診』が純粋に歯周病などの早期発見と健康維持が目的なら良いですが、コンビニよりも多いと言われている歯科受診に繋げるために日本歯科医師会からの政治献金と票を目論んでいるのではないかと勘繰ってしまいます。