先日、メルク社が新型コロナ経口治療薬について日本を含む20か国で重症化リスクのある非重症患者の外来治療を対象に臨床試験を行い、被験者1433名を対象とした解析の結果において発症5日以内の治療開始で偽薬群(699名)の重症化が68名(9.7%)に対し、治療群(709名)では48名(6.8%)と相対的リスクが30%減少し、死亡例は治療群で1名(0.1%)に対して、プラセボ群では9名(1.3%)と治療群で少なかったため有効であると結論付けていますが、たった1433名の被験者で有効性を論じる事の是非と偽薬群でも90.3%の人が重症化していないという事で有効性はあまり期待できないと判断するべきではないかと問題点を指摘させていただきました。

偽薬群でも9.7%しか重症化せず、死亡率も1.3%という事を改めて考察してみましたが、偽薬群という事は治療を行っていないと同じ事ですので、この結果は重症化リスクがあっても90.3%が重症化せず、死亡率は1.3%であると示している事になります。

被験者がワクチン接種しているかの情報はありませんが、薬の有効性を調べる時にワクチンの効果かもしれないという事を除外しないといけないため、恐らく被験者はワクチン非接種者だと思われます。

重症化リスクがある人でさえワクチン未接種でも9.7%しか重症化せず、死亡率も1.3%しかないという事は重症化リスクのない人は滅多な事では重症化したり亡くならない事になりますし、ワクチンが要るようなウイルスではないと示している事になります。

高齢者は基礎免疫が下がるためどんな疾患でも重症化しやすく、日本では新型コロナ陽性で亡くなったとされる方の85%は70歳以上で、たまたま新型コロナで亡くなっただけです。

ACE2受容体活性の上がる肥満者、免疫の下がる糖尿病患者、癌など免疫不全状態の方は重症化リスクがあると言えるかもしれませんが、そういう方たちでも何も治療を行わなくても98.7%は亡くならず、重症化リスクが無い方が亡くなる事は極めて0に近いという事になります。

メルク社は薬の有効性を示そうとした臨床試験で逆に有効性がほとんど無いという結果が出ただけではなく、新型コロナはほとんど重症化せず、重症化リスクが無い方は亡くなる事もほぼ無く、ワクチンも治療薬も要るようなウイルスではないと証明してくれました。

こういう事を「策士策に溺れる」と言います。