溶連菌とは正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、α溶血とβ溶血を呈する2種類があり、β溶血性でヒトに病原性を有するものにA群、B群、C群、G群などがあります。
溶連菌感染症の90%以上がA群によるものなので一般にはA群溶血性連鎖球菌(A群β溶血性連鎖球菌)による感染症を溶連菌感染症として理解されて構いません。
こどもに多いですが大人でも感染することがあり、繰り返し感染することもありますが、適切な抗菌剤を開始して24時間以内に他への感染力は消失します。
心臓弁膜に障害などを起こすリウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった合併症を起こすことがあり、いわゆる人食いバクテリアは劇症型溶連菌の事で、菌が全身に広がって急激に多臓器不全に至るので注意が必要です。
主な症状は高熱と喉の痛みで、舌にイチゴのようなツブツブができたり(イチゴ舌)、身体や手足に発疹を認めることがありますが、咳や鼻水などは少ないです。
第3種学校感染症に指定されていて出席停止が必要ですが、適切な抗菌剤治療開始後24時間経過して全身状態が良ければ登校可能です。
医師法第20条で無診察治療等が禁止されている事もありますが、当クリニックは当然の事として患者さんを診察した上で必要であれば検査を行って診断し、適切な治療を行っていますが、年末から高熱と喉の痛みが主症状の人が多く、検査すると溶連菌陽性であるケースが非常に多いです。
他の医療機関ではCOVID-19とインフルエンザしか頭に無いためCOVID-19とインフルエンザの検査しかしていないため溶連菌が見逃されているケースが多いと思われますが、抗菌剤が有効であるのに抗菌剤が処方されないために合併症を起こし、劇症型で命を落とす人が出てしまう事を危惧します。
高熱があれば院内にも入れてもらえずCOVID-19とインフルエンザ検査をさせられる医療機関も多いようですが、寒いのに院内に入れないだけでも非人道的で倫理的にも問題がありますが、診察せずに検査を行う事は医師法第20条に違反していて大問題です。