本年7月から下腿浮腫、皮疹などが出現し、他院でANCA関連血管炎と診断されて入院加療を受けましたが、なかなか症状が治まらないため心配になり受診した患者さんがおられます。

詳細に話を聴くと本年2月にファイザー製SARS-CoV-2ワクチン3回目の接種をしておられたのでワクチン副反応の可能性が高いと話すと、ご本人はワクチンと関係があると思っておられなかったので非常に驚かれましたが、ご本人の了承を得てPMDAに報告させていただきました。

1週間ほどしてファイザーから安全性情報収集の書類が届きました。

https://drive.google.com/file/d/1lPJu6SCZAg94GGKf1zqcYdw1vKx_L1qq/view?usp=sharing

実際に接種したり治療を担当した医師ではないので、ほとんど不明と回答するかありませんでしたが、有害事象として「ANCA関連血管炎」を挙げ、「因果関係あり」にチェックを入れました。

PMDAへの報告書の報告者意見には

「SARS-CoV-2はスパイク蛋白質部分でACE2に結合して感染するが、ファーストコンタクトが気道であることが多いため初期症状として呼吸器症状が目立ち、ほとんどの人は軽症で治るが、感染によって血管内皮細胞のACE2が機能不全を起こして血管炎・血栓形成を起こすのが本来の病態で、間質性肺炎は起こすが気管支肺炎を起こさず、ACE2活性の低い子供で重症・死亡が極めて低く、感染者では脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、凝固異常で亡くなる方が多い。

SARS-CoV-2ワクチンはSARS-CoV-2のスパイク蛋白質を作る遺伝子そのもので、接種した人が自らスパイク蛋白質を作りスパイク蛋白質に対する抗体を作るのが目的だが、ワクチン接種によって作られたスパイク蛋白質は抗体を作るより先に受容体であるACE2に結合し、感染した時と同様で更に強い副反応・後遺症を起こすと考えられ、今回はワクチン接種後に発症しているためワクチン副反応である可能性が極めて高いと考える。」

と記載したので、それを参照する事と詳細は入院した医療機関に問い合わせるよう回答しました。

PMDAへの報告には氏名、性別、生年月日は記載しますがファイザーには氏名、生年月日が黒塗りされた物が送られているようで、個人が特定されず実際にどこまで調査されるか全く不明です。

PMDAへの副作用報告は元々因果関係を示すものではなく、報告が沢山上がれば個々の症例だけでなく動物実験に戻ったり、様々な研究や調査が開始されますので、副作用報告はそのきっかけを作るための物ですのでPMDAへの報告は非常に重要です。

実際に副反応・後遺症と認められて救済されるまでの道のりは遠いようですが、医療機関からの報告であれば個人の特定ができず調査が遅れる可能性も考えられますので、やはり実際に副反応・後遺症で悩んで居られる人が製造販売業のコールセンターに連絡した方が調査が進みやすいと思われます。

最近、薬で副作用が出ればPMDAに報告を促すCMを見かけますが、PMDAもSARS-CoV-2ワクチン副反応・後遺症を把握していて、調査を進めるためではないかと思いますので、製造販売業のコールセンターに連絡してもどこまで調査されるか分かりませんので、実際にSARS-CoV-2ワクチン接種後に副反応・後遺症で悩んで居られたり、ご家族が亡くなられた人は直接、PMDAに連絡するのが最も効果的かもしれません。

https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html