紀元前5世紀のギリシャの医師であるヒポクラテスは、それまでの呪術的医療と異なり、健康・病気を自然の現象と考え、科学に基づく医学の基礎を作ったことで「医学の祖」と称されています。
彼の弟子たちによって編纂された「ヒポクラテス全集」の中で、医師の職業倫理について書かれた宣誓文が「ヒポクラテスの誓い」であり、世界中の西洋医学教育において現代に至るまで語り継がれています。
「ヒポクラテスの誓い」
医神アポロン、アスクレピオス、ヒギエイア、パナケイアおよびすべての男神と女神に誓う。私の能力と判断にしたがってこの誓いと約束を守ることを。
1. この術を私に教えた人をわが親のごとく敬い、わが財を分かって、その必要あるとき助ける。
2. その子孫を私自身の兄弟のごとくみて、彼らが学ぶことを欲すれば報酬なしにこの術を教える。そして書きものや講義その他あらゆる方法で私の持つ医術の知識をわが息子、わが師の息子、また医の規則にもとずき約束と誓いで結ばれている弟子どもに分かち与え、それ以外の誰にも与えない。
3. 私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。
4. 頼まれても死に導くような薬を与えない。それを覚らせることもしない。同様に婦人を流産に導く道具を与えない。
5. 純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う。
6. 結石を切りだすことは神かけてしない。 それを業とするものに委せる。
7. いかなる患家を訪れる時もそれはただ病者を益するためであり、あらゆる勝手な戯れや堕落の行いを避ける。女と男、自由人と奴隷の違いを考慮しない。
8. 医に関すると否とにかかわらず他人の生活について秘密を守る。
9. この誓いを守りつづける限り、私は、いつも医術の実施を楽しみつつ生きてすべての人から尊敬されるであろう。もし この誓いを破るならばその反対の運命をたまわりたい。
2000年以上前の医療状況下で書かれたものですので、一部の内容は現代に適さないものもありますが、医師としての知識・技術を無償で伝授し、教えてくれた人を敬い助け、性別や身分に関係なく医療を提供し、守秘義務についてまで書かれていて、現在でも医療倫理の根幹を成してます。
しかし現代では「能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない。」とあるのに感染対策に有効であるという科学的根拠が無いどころか、口呼吸になれば口腔内が乾燥して病原体に対抗するIgAを含み殺菌作用のある唾液の分泌が悪くなり、高性能エアコンディショナーである鼻を通過せずに直接、病原体が咽頭や気道に到達して感染しやすくなるマスクを無症状者にさせるという愚行を行っています。
更に「頼まれても死に導くような薬を与えない。」とありますが、治験が現在進行形で接種直後から多くの副反応報告・死亡報告があり、長期的にも全く安全が保障されていないワクチン接種をさせようとしています。
ヒポクラテスが生きていたら今の状況に憤慨すると思います。
全ての医師に改めて医の倫理について考えてもらいたいと切に願います。