PCRは2のCt値乗に増幅するためにCt値を上げれば上げるほど少ない遺伝子の欠片でも検出できるようになり、類似した遺伝子でも陽性になるので偽陽性が増えることは以前に実際には少しニュアンスは違いますがコピーに例えてお知らせしました。

今の日本では新型コロナウイルスPCRのCt値を40~45に設定していますので10~1000個程度の遺伝子の欠片、それも活性の有無に関わらず検出されると陽性に判定されてしまいます。

10~1000個程度のウイルスでは当然、感染しませんが、ウイルスがどこにも均等に存在していませんので、採取した部位では10~1000個程度でも実際にはもっと多くのウイルスが存在することは考えられます。

風邪などで受診した時に喉の診察を受けるだけでも大きな口を開けてくれない患者さんは多く、舌圧子で舌を押さえるだけでも吐きそうになる人が居るのに、大事な検査だと分かっていても咽頭ぬぐい液を採取する際は余計に口を開けてくれないケースも多いので、喉の奥から検体を採取するのは至難の業で、やっと喉の奥が見えたと思った瞬間に綿棒で検体を採取しますが、十分に検体が採取できていない可能性があります。

更に検体採取する際に咳き込まれることがありますので、こんな危険な行為はありません。

十分に検体が採取できていない可能性があるので、見逃しを減らすためにある程度、Ct値は上げざるを得ないと考えられていると思います。

そういう事もありPCRの上げ過ぎで偽陽性が増えることを問題にすることが多いですが本来、注目すべきは偽陰性をどう考えるかだと思うようになりました。

咽頭ぬぐい液では非常にばらつきが多いですし、咳き込まれて飛沫を飛ばすというリスクもありますので、今は唾液が検体として使われるようになりましたので、個人的にも唾液PCRがばらつきを減らすためにも望ましいと思いますが、唾液も採取方法を間違えれば何の意味もありません。

喉の奥に痰が引っかかってる時に、説明が難しいですが喉を絞るようにして奥から出そうとすると思いますが、そういう動作を数回して喉の奥の方の唾液をしっかりと口の中に溜めて検体として使用すれば問題ありませんが、単に口の中に溜まった唾液であれば偽陰性になる可能性が高くなると思われます。

人の恐怖心に付け込んで唾液PCRで儲けようとする不誠実なクリニックもありますが、不適切な採取法で行われていれば当然、正しい結果になりませんので、意味がないだけでなくお金が無駄なだけです。

以前、研究者の方とPCRを上げ過ぎることで偽陽性が増える弊害について議論をした事がありますが、その時に研究者の方は35サイクルぐらいから立ち上がってくるものがあるので、それを見逃さないためにも40サイクル以上の増幅が必要だと唱えていましたが、私にはあまり理解できませんでした。

新型コロナウイルスに関する情報は色々と残していて、改めて過去の情報を調べてみると昨年の4月に国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンターの西村秀一医師がPCRの問題点に関して投稿しておられました。

その記事によると最大の問題は偽陰性で、次に偽陽性の可能性を論じておられて、そこでコピー数別のリアルタイムPCR増幅曲線に関する図があり、そこに急激に立ち上がる増幅曲線が示してあり、これが研究者が言っていた立ち上がりだと理解しました。

それでも信頼できる陽性を検出できる100コピーの増幅曲線の上限はCt値37で、それ以上にCt値を上げても怪しい陽性が増えるだけだと書かれています。

西村医師はインフルエンザに関して咳の中にはほとんどウイルスが含まれておらず、ごく稀に2000個以上のウイルスを排出する人が居る事を以前にNHK「ためしてガッテン」でも紹介しておられ、その発言には信憑性が高いと思われます。

この稀に居る2000個以上のウイルスを排出する人がスーパースプレッダーであり、ウイルスよってそんなに大きな差は無いと思われますので、新型コロナウイルスに関しても当てはまるのではないかと思います。

北海道の病院でクラスターが発生した時に無症状患者にまでPCRを行い、陰性だったために非感染者として扱われ、結果的にはその患者が無症状感染者だったために担当した医療スタッフが感染してクラスターになったとされています。

無症状でも感染初期でウイルス量が少なければPCR陽性になりませんが、今は無症状でも感染者だと考えてマスクをするように言われているのにPCR陰性だったために、その人が非感染者だと判定され本人も接する人も感染対策を怠るために感染を拡げてしまったと思われます。

同様に感染対策にマスクをしろと言われていますが、マスクをしていれば感染対策になると思いこんで実際の感染対策が疎かになるために感染が抑えられていないと思います。

事実、マスクをしたまま平気で咳き込む人が居ますが、マスクの隙間から飛沫が出ます。

厚労省のHPに咳エチケットとしてハンカチやティッシュを使うように書かれていますが。ハンカチはティッシュを通してウイルスは手に付着しますので、直ぐに手を洗わなければ接触感染の原因になりますので、正しい咳エチケットはマスクの有無に関わらず肘の辺りに鼻口を付けてする事ですが、厚労省が平気で間違った情報を流しています。

咳やくしゃみをする時は肘の辺りに鼻口を付けてするというのはアメリカでは学校で教えているそうですが、日本の学校ではマスク強要という間違ったことを教えて正しい知識を教えてません。

PCRのCt値に関してはCt値を上げ過ぎても偽陽性が増える事は事実で、回復期患者に関してにはなりますがCt値30以上でないと陽性と判定されないような人はほとんどが感染力が無い人であるという発表もありますので、PCRの適正値はやはり30~35程度であるのは間違いなく、Ct値をそこまで下げると当然、陽性と判定される人が減りますので、対応もしやすくなるはずです。

そもそも検査というのは症状のある人に行って診断をするためのものですので、このようにPCRには多くの偽陰性、偽陽性があるため、無症状者に行う事は明らかに間違っていると思います。

いずれにせよ何度も言うように感染させるとか感染させられるとか考えるので要らない誹謗中傷・差別に繋がりますし、有効な治療薬がないため各自が予防に努めるしかありませんので換気、サーキュレーターなどでの撹拌、手洗い、手で目鼻口を触らない、呼吸器症状がある人だけマスクを着用、咄嗟に咳やくしゃみが出る時はマスクの有無に関わらず肘の辺りに鼻口を付けてする、トイレは蓋を閉めて流すという呼吸器感染症、感染性胃腸炎予防の基本を徹底していただきたいと思います。

 

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t344/202004/565349.html?n_cid=nbpnmo_fbbn&fbclid=IwAR3vH1g_vpa_G4Ao79j1fhINgMXyC38XowdNx1yuqBjQHgTmcR1I3ilD2mA

 

咳に含まれるインフルエンザウイルス量

 

COVID-19患者(回復期)のPCR陽性者のCt値分布とウイルス培養結果との比較