- 多くの人が風邪症状などで医療機関を受診した際に単に「喉が赤いから薬を出しておく。」とだけ言われて多量の薬を処方されたり、風邪と診断しながら効かない抗菌剤を処方された事があると思います。
- 当クリニックでは患者さんに正しい知識を持ってもらって適切な医療を提供するために、開業時からウイルスには抗菌剤が無効であること、37-38℃台程度の発熱で解熱剤を使用すると免疫が下がるなどして逆に長引くかもしれないこと、冷却には解熱効果がないことなどを文書を示して説明しています。
- COVID-19はPCRを行って診断したとしても有効な治療薬が無いため不安が増すだけで、濃厚接触者と判断された人にまで検査がおよんで無症状でも陽性と判定されれば自宅療養などの措置が取られるのでデメリットの方が多く、急激に重症化する例はありますが8割は軽症で治るので対症療法で経過観察してもらうようお願いしていますが、今はPCRをしていなくても誰もがCOVID-19であると思って行動してもらうことが望ましく、退院基準が「発症から10日経過かつ症状軽快から72時間経過」という事も参考にして、症状軽快から3日間の自宅内隔離をお願いしています。
- 仕事は当然、休む必要があり、自宅内感染を防ぐためにも個室管理にして食事は運んでもらい、入浴も一番最後に入るなどして家族間の接触も極力避けるように指導しています。
- 休診日は他の医療機関のICUに手伝いに行っていますが、その医療機関は当初はCOVID-19指定医療機関ではありませんでしたが、大阪で重症者が増加しているために知事からの要請でCOVID-19患者を受け入れるようになりました。
- 10/9に閣議決定され10/24付で入院対象者が感染者全員から高齢者や基礎疾患を有する等の重症化リスクのある人や感染まん延防止のために必要な事項を守る事に同意しない者に改正されていますが、この法令が順守されずに対象者以外も入院させて病床数が足りなくなっているように感じます。
- 入院適応はしっかりと検討する必要があり、軽症者はホテルなどの待機施設を利用するか家族と同居しているなら世話をしてもらえるので個室隔離を条件に帰宅してもらっても構わないと思いますが、独居にも関わらず本人が待機施設の利用を拒否したために帰宅させていたケースがありました。
- 8割は軽症で治り有効な治療薬もないため何も薬は処方されていなかったようで、診断から2週間ほど経っても症状が改善せず、逆に悪化したために受診しましたが、その時にはかなり呼吸状態が悪化していたため人工呼吸器管理になったようです。
- 独居なので食料品など買い物も自分で行く必要があり、感染を拡げてしまう危険がありますが、家族と同居で身の回りの世話がしてもらえるなら帰宅させても構わないと思いますが、強制力が無いとは言え、独居の方はやはり待機施設に入ってもらわないといけないと思います。
- オルベスコという吸入ステロイド剤が気管支の炎症を抑え、クラリスロマイシンという抗菌剤は抗炎症・免疫活性化作用があってCOVID-19軽症患者に有効という報告があり、香港では軽症患者に使用するというプロトコルがあり、私も肺雑音があったり長引いている患者さんに関してはPCRはしなくてもCOVID-19を強く疑って吸入ステロイド剤、クラリスロマイシンの処方を行っていますが、日本ではそういうプロトコルが無く、それぞれの医療機関の裁量で治療が行われています。
- 私は吸入ステロイド剤、クラリスロマイシンの使用で重症化予防に繋がるのではないかと考えていますが、日本では吸入ステロイド剤、クラリスロマイシンに効果があるかもしれない事を知っていても効果を検証しようとする医師が現れないために実証できず、いつまで経っても重症化抑制ができずに混乱が続いています。
日本のCOVID-19への医療体制には多くの不備があります
TEL 050-1722-0881